全面プリントTシャツの特徴と入稿方法
全面プリントTシャツとは
全面プリントTシャツとは、Tシャツの端から端まで絵柄がプリントされたTシャツのことをいいます。
表面と裏面への両面プリントも可能で、表と裏でデザインを変えることもできます。 普通のプリントと比べて、インパクトありますよね。 プリント方法は、インクを吹き付け生地に染み込ませるインクジェットプリントのみの対応となり、少し淡くやわらかな印象に仕上がります。
広がりつつある全面プリントTシャツのニーズ
この全面プリントTシャツは、元々は、アニメ業界からの需要が大きかったのですが、最近では、アパレルブランドやバンドの販売用Tシャツ、企業のスタッフウェア、クラウドファンディングでの返礼品など、様々な用途でお問い合わせをいただくことが多くなっています。
全面プリントをする場合、Tシャツの色や種類、向いているデザインなど、作成条件にいくつか制約があります。
全面プリントTシャツの作成条件
全面プリントTシャツで両面プリントをする場合は、専用プリンターの台にTシャツを置き、前と後ろを別々にプリントします。
上記のイラストのように、前面を先にプリントしてから、背面をプリントするという2段階プリントの流れとなるため、
全面プリントの製法上、次の4つの現象がどうしても起きてしまいます。
①プリントデザインの前後の合わせのズレ
まず、一つ目は、「Tシャツの前と背中のデザインをぴったり合わせることはできない」という点です。 前と後の両面を同時にプリントするわけではないので、プリントの際、前と後ろのデザインの位置が少しずれてしまう可能性があります。 そのため、肩や脇、腰回りなど、前と後ろがつながったデザインの場合は、正確に再現することができません。
②段差部分の色が薄くなったりにじんだりする
二つ目は、「Tシャツの段差のある箇所は、多少、にじんだり色が薄くなる可能性がある」という点です。 Tシャツに段差がある箇所というと、特に、袖や襟のリブ部分や、縫い目の部分になります。
③縫い合わせの箇所やTシャツの内側はプリントされない
三つ目は、「縫い合わせの箇所やTシャツの内側はプリントされない」ということです。 Tシャツの多くは、脇部分で生地と生地を縫い合わせてあります。 この縫い合わせの箇所は引っ張ると、数ミリ、プリントされない部分が見えます。
また、プリントされるのは、Tシャツの外側のみで、内側はプリントされません。 ネームタグの代わりに、Tシャツの首後ろにブランド名)やサイズ表記を入れたい場合は、全面プリントをしてからシルクスクリーンプリントをするという2段階の流れで対応させていただいています。
④対応しているTシャツが限られている
そして最後の注意点は、「対応しているTシャツの種類と色が限られる」ということです。 全面プリントTシャツでは、きれいにプリントができるように前処理剤(まえしょりざい)を塗ります。 Tシャツによってはこの前処理剤との相性が悪く、色むらやシミが発生してしまう場合があるため、白のヘビーウェイトTシャツをはじめ、一部のTシャツの種類と色に限定させていただいています。 どのTシャツが対応しているかは、スタッフまでお尋ねください。
全面プリントTシャツのデータ作成の注意点
全面プリントTシャツは、データ作成方法も一般のプリントデータと異なっています。「デザインのサイズ」、「内容」、「避けた方がいいプリント色」の3点について、解説していきたいと思います。
①全面プリントTシャツのデザインのサイズ
まず、「デザインのサイズ」ですが、Tシャツのサイズギリギリではなく、かならず少し大きめな塗り足しの付いたデザインをご用意ください。 また、どうしても見切れたくない文字やイラストは、Tシャツの端ギリギリではなく、すこし内側に収まるように配置をしてください。
②全面プリントTシャツのデザイン内容
次にデザイン内容についてです。 Tシャツのフォルムやサイズにより裾や袖、肩部分のカーブが違いますので、Tシャツのカーブに沿ったデザインは避けましょう。 デザインが見切れる原因になります。 また、袖部分などで切り替わるデザインも避けましょう。 プリント位置のずれの原因となります。
③全面プリントTシャツのデザインの色
最後に、デザインに使う色ですが、黒や紺色などの濃い系の色でグラデーションをデザインしたり、広い面を埋めたりするのは避けましょう。 色むらやシミの原因になってしまいます。
早めのご依頼を
pecheでは、量産に入る前に、本番と同じ環境でサンプル品を作成し、OKをいただいてから量産に入らせていただいています。 納期は、混み具合によって異なりますが、デザインが決まってから量産品の納品まで、20日~40日程度必要となりますので、早めのご依頼をオススメいたします。