オリジナル織ネーム(タグ)ができるまでの工程
オリジナル織ネーム(タグ)作成の大まかな工程について
織ネーム(タグ)は、タテ糸にヨコ糸を1本1本織り込むことでロゴなどのデザインを表現していくのですが、いくつか工程があります。
ここでは、その工程について説明してみたいと思います。
(pecheでは、シャトル機で織った織ネームを提供していますので、説明はシャトル機での工程となります。)
まず、タテ糸をセットした織機に、ヨコ糸のシャトルとデザインのデータを設定し、織りの工程に入ります。
織りが終わった後、縮みを防止する樹脂加工や、シワを伸ばすヒートセット加工などの二次加工を行います。
その後、「糸のほつれ」や「キズ」や「汚れ」などがないか検品し、最後に、カットなどの仕上げ加工をして完成です。
それでは、「シャトルをつくる工程」と、「織りの工程」を具体的にみていきましょう。
シャトルをつくる工程について
まずシャトルをつくる工程です。 これがシャトルです。
シャトルの中には、様々な色の横糸が巻かれたボビンが入っています。
西洋のシャトルは、堅くて割れにくい「ハナミズキ」の木を使いますが、
日本のシャトルは、九州の堅い「アカガシ」の木を使うことが多いそうです。
シャトルとは「往復運動をするもの」という意味から来ており、シャトルバスやスペースシャトル、バトミントンの
シャトルコックの語源にもなっています。
ボビンに糸を巻き付ける
それでは、ボビンに横糸を巻き付ける工程を見てみましょう。
糸の太さが変わる場合は、この工程で変えていきます。
1本巻き終えると自動でボビンの交換がされて次の巻き作業が始まります。
巻き終わったボビンをセットして、シャトルが完成です。
シャトルにはバネが付いていて、糸の張りをこのバネが調整しており、バネの抑えが強いと糸が出にくく、
バネが弱いと糸が出過ぎてしまったりします。この調整がネームのクオリティに影響したりします。
▲シャトルのバネ
オリジナル織ネーム(タグ)の「織り」の工程
そしていよいよ織りの工程です。タテ糸をセットした織機に、シャトルとデザインデータを設定します。
織機の上から下に垂れているのがタテ糸です。
タテ糸が上がった時に、ヨコ糸を内蔵したシャトルが左右交互に勢いよく打ち込まれることで、
ヨコ糸が下を通ってネームが織られていきます。
1台の織機で、1時間に約300枚くらいが仕上がります。1枚1枚丁寧に織っています。
織りが終わると、中央で織ったセンターホールドやカットなどの仕上げ加工を施しお届けさせていただいております。
※ネームタグの仕上げ加工についてはこちらを参照 ⇒「ネームタグの加工仕上げについて」
ということで、今回は織ネーム(タグ)ができるまでの工程について見てみました。
織ネーム(タグ)の製作は、デザインなど内容が決まってから2週間~3週間くらいの納期が必要となります。
オリジナルTシャツの打ち合わせと同時にご相談いただけれるとスムーズだと思います。
下記ページもご参照ください。
<参考>
『基礎技法講座 織物の用具と使い方』 編:技法叢書編集室 1980年 美術出版社
『染織の文化史』 藤井守一、理工学社
トヨタテクノミュージアム 産業技術記念館
「織物を製織するための機械の総称」(出典:特許庁「意匠登録カード」)